Title : |
成人型動脈管憩室動脈瘤の3治験例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
上野陽一郎1), 篠崎拓2), 島本光臣2), 大久保憲一2), 植田充宏2), 秋山文弥2) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)国立療養所岐阜病院外科, 2)市立静岡病院胸部心臓血管外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
38 |
Number : |
8 |
Page : |
1356-1361 |
Year/Month : |
1990 / 8 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
私達はこの5年間に3例の成人型動脈管憩室動脈瘤を経験した. 瘤は弓部大動脈小彎側の動脈管の位置から左肺動脈本幹に向かって突出した嚢状瘤で瘤径は45~70mmであった. 本症の診断には胸部CT及び大動脈造影(DSA)が有用であった. 特にaortopulmonary window levelのCTで上行大動脈, 嚢状瘤, 下行大動脈がやや鈎型に並んだ"三連星"像は本症に特徴的な所見であった. 瘤への到達法には左後側方切開及び胸骨正中切開法を用いたが切迫破裂症例では胸骨正中切開が優れていた. 手術は部分体外循環下に大動脈の欠損孔をパッチ閉鎖し良好な遠隔予後を得ている. 本症は極めてまれとされているが, 従来嚢状弓部大動脈瘤と診断されていた症例のなかに本症が含まれている可能性もあり諸家の留意を促したい. 成人の動脈管憩室動脈瘤は極めてまれな疾患であり, その報告は現在まで剖検例を含めて27例にすぎない. また, その手術成功報告例はMitchellらの5例を含めて12例であり本邦では2例のみである1)3)4). ところが, 私達はこの5年間に3例の手術症例を経験し良好な結果を得ているので若干の文献的考察を加えて報告する. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
成人型動脈管憩室動脈瘤, 嚢状弓部大動脈瘤, 動脈管動脈瘤 |