アブストラクト(38巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左冠状動脈入口部に狭窄を来した大動脈炎症候群の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 山崎一也, 近藤治郎, 井元清隆, 梶原博一, 真下好勝, 松本昭彦
Authors(kana) :
Organization : 横浜市立大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 8
Page : 1362-1366
Year/Month : 1990 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は24歳女性. 大動脈炎症候群に合併した不安定狭心症症例で, 左冠状動脈入口部の75%狭窄とSellers II度の大動脈弁閉鎖不全が認められた. 炎症が活動期であったため約2ヵ月のステロイド治療を行った後に大動脈-冠状動脈バイパス術を施行した. 術後もステロイドの投与を継続して炎症の再燃防止に努め術後7ヵ月めのグラフト造影でグラフトの開存を確認し, 胸痛も消失した. 大動脈炎症候群は若年女子に好発する非特異性血管炎で弓部大動脈の分枝を主に侵す. この内約10%に冠状動脈病変を合併するとされている1)2) 今回われわれは大動脈炎症候群による左冠状動脈入口部狭窄で重篤な不安定狭心症を来した症例を経験し, ステロイド投与により炎症の軽快を待った後にA-Cバイパス術を施行し, 良好な結果を得たので報告する. 「症例」患者:24歳, 女性 主訴:労作時前胸部痛 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし 昭和63年6月下旬, 突然労作時前胸部痛が出現した. 7月中旬になると胸痛増強し頻回となった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : A-Cバイパス術, 大動脈炎症候群
このページの一番上へ