アブストラクト(38巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸膜播種合併胸腺腫に対する胸膜肺全摘術と胸腺腫胸腺摘除術の経験
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木聡, 岡田信一郎, 永元則義, 半田政志, 小池加保児, 藤村重文
Authors(kana) :
Organization : 東北大学抗酸菌病研究所外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 8
Page : 1371-1374
Year/Month : 1990 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸膜播種合併胸腺腫に対する手術症例を経験した. 症例は30歳女性. 健康診断で胸部X線写真上, 縦隔腫瘤陰影と共に左肺野に多数の腫瘤陰影を指摘された. CT写真では腫瘤陰影は前縦隔にあり多数の左胸膜播種像が認められた. 胸膜播種病変の経皮針生検により胸腺腫と診断された. 本症例に対し, 術前に縦隔に60Coを照射し主病巣の縮小効果を得た. 左後側方切開により開胸し, 肉眼的に腫瘍の浸潤が示唆された肋間筋を含めて胸膜肺全摘術と胸腺腫胸腺摘除術を施行した. 組織学的に腫瘍は分葉所見を有し, 上皮細胞優位型の胸腺腫であった. また, 組織学的検索で播種病巣の肋間筋への浸潤が確認されたため, 術後に縦隔と左胸壁に放射線照射を行った. 胸膜播種合併胸腺腫症例に対して, 本法により腫瘍組織遺残の危険性を最小にすることが可能であると考えられた. 浸潤型胸腺腫の術後再発の原因は腫瘍組織の局所遺残にあることから, その外科治療にあたっては腫瘍組織の広範囲摘除と放射線療法による集学的治療が必要である1)2). 今回, われわれは胸膜播種合併胸腺腫に対し放射線療法を併用した胸膜肺全摘術と胸腺腫胸腺摘除術を施行した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 浸潤型胸腺腫, 胸膜肺全摘術, 胸腺腫胸腺摘除術, 放射線治療
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