Title : |
心室中隔欠損, 冠静脈洞心房中隔欠損を伴う先天性僧帽弁狭窄症に対する根治手術の1例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
大嶋義博1), 山口眞弘1), 今井雅尚1), 大橋秀隆1), 細川裕平2), 橘秀夫3) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)兵庫県立こども病院心臓血管胸部外科, 2)神戸大学医学部第2外科, 3)三木市民病院外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
38 |
Number : |
8 |
Page : |
1389-1394 |
Year/Month : |
1990 / 8 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
生後12ヵ月幼児の, 心室中隔欠損, 静動脈洞部心房中隔欠損を合併した先天性僧帽弁狭窄症に対し弁置換術による根治手術を行い良好な結果を得た. 症例は, 乳児期早期より多呼吸, 陥没呼吸がみられ, 体重増加も不良であった. 術前, 超音波心断層検査でパラシュート僧帽弁を, 更に心血管造影にて心室中隔欠損, 冠静脈洞部心房中隔欠損の合併を診断した. 僧帽弁は, 短縮した腱索が肥大した大きな単一の乳頭筋に付着し, 強い弁狭窄を生じており, #17Bjork-Shiley弁を用いて弁置換を行った. また冠静脈洞は左房に開口したまま, 冠静脈洞右房開口部及び心室中隔欠損をパッチ閉鎖した. 上記の3つの疾患の組み合わせの根治手術成功例は著者らの調べ得た範囲では世界で初めてと思われた. また先天性僧帽弁狭窄単独例だけに対する弁置換術成功例としても本邦で最年少であった. 乳児期に発症する先天性僧帽弁狭窄症は, 弁形成術の困難さや狭小な弁輪径に加えて左室流出路狭窄を合併することもあり, 手術成績はいまだ満足すべきものではない. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
先天性僧帽弁狭窄, 冠静脈洞心房中隔欠損, 幼児期弁置換 |