アブストラクト(38巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Autoperfusionによる心肺保存の研究-移植後の肺機能-
Subtitle : 原著
Authors : 松岡正紀, 井村正史, 東憲太郎, 木村誠, 岡部学, 森本保, 矢田公, 並河尚二, 湯浅浩, 草川實
Authors(kana) :
Organization : 三重大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 9
Page : 1442-1447
Year/Month : 1990 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Autoperfusion法による保存心肺を用いて同所性左肺移植及び心肺移植を行い, 主に移植後の肺機能に関して検討した. Donor犬15頭より心肺を摘出しautoperfusion下に6~8時間の保存を行った後, 左肺10例(6.8±0.8時間保存)をrecipient犬に同所性移植し, また心肺5例(7.5±0.5時間保存)を用いて体外循環下に心肺移植を行った. 肺移植犬は全例が7日以上生存し, 移植肺血流再開1時間後における血液ガス分析(100%酸素にて換気)では, 左肺動脈血PO2 52.5±6.0mmHg, PCO2 35.8±7.7mmHgに対し, 左肺静脈血PO2 496.6±60.5mmHg, PCO2 27.4±10. 3mmHgと保存肺は移植直後から良好なガス交換能を示した. 術後3日目における移植肺の組織所見においても肺胞構造はよく保たれ, 胸部X線所見では術翌日より肺門陰影の増強が見られたが術後5日目までの観察で移植肺の良好な含気性が認められた. 心肺移植においては冠血流再開後いずれも洞調律となり, 4例は体外循環より離脱でき, 少量のIsoproterenolの投与で循環の維持が可能であった. 体外循環離脱1時間後の動脈血ガス分析(100%酸素にて換気)はPO2 396.5±34.7mmHg, PCO2 35.5±6.9mmHgと良好で, 3時間後でも変化はなく, 6時間後における肺組織像には軽度の浮腫が見られるのみであった. 以上よりautoperfusion法は有効な心肺保存法であると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Autoperfusion, 心肺保存, 肺保存, 心肺移植, 肺移植
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