アブストラクト(38巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 外傷性弓部大動脈破裂の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 平中俊行1), 大久保修和2), 加藤雅明2), 森本芳和2), 大西健二2)
Authors(kana) :
Organization : 1)紀南綜合病院心臓血管外科, 2)大阪府立病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 9
Page : 1475-1478
Year/Month : 1990 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 外傷性大動脈破裂は救命率が低く, 急性期に手術を行い, これを救命した報告は本邦においてはいまだ少い. われわれは, 交通外傷により意識障害, 肺挫傷, 多発骨折を合併する弓部大動脈破裂症例に対し, 血圧のコントロールを行い待機し, 受傷後15日目に人工心肺使用循環停止下に直接縫合術を行い救命した. 胸部X線像で本症が疑われれば直ちに大動脈造影を行い診断を確定し, 合併損傷を考慮したうえで手術時期を決定し, 適切な補助手段を用いて手術を行うことが重要である. 近年, 交通事故の増加に伴い, 大血管傷損も増加している. しかし, 外傷性大動脈破裂は80%以上が受傷後1時間以内に死亡するとされており1), 急性期症例を救命した報告は, 本邦においてはいまだ少ない. 最近, われわれは, 意識障害, 肺挫傷, 多発骨折を合併する外傷性弓部大動脈破裂の1症例に, 血圧のコントロールを行いながら待機し, 意識が回復し, 肺挫傷が軽快した受傷後15日目に手術を施行し救命し得たので, 文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 外傷性弓部大動脈破裂, 急性期手術, 人工心肺使用循環停止, 直接縫合術
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