アブストラクト(38巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心房中隔欠損のない高位上大静脈への部分肺静脈還流異常症の1手術例-自己組織による洞結節及び洞結節動脈を温存した術式-
Subtitle : 症例
Authors : 青木満1), 林研二2), 阪田健介2), 小林百合雄2), 谷本欣徳2), 木藤信之3)
Authors(kana) :
Organization : 1)東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科, 2)済生会下関総合病院心臓血管外科, 3)済生会下関総合病院小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 9
Page : 1501-1505
Year/Month : 1990 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺動脈弁狭窄(PS)を合併した, 心房中隔欠損(ASD)を伴わない高位上大静脈(SVC)への部分肺静脈還流異常症(PAPVR)の5歳女児に, PSに対して弁切開を, PAPVRに対しては洞結節及び洞結節動脈を温存しつつ自己組織のみを用いた修復術を施行した. SVCの肺静脈還流部遠位に斜切開を加えて下縁を後壁に縫合閉鎖することによりSVCを肺静脈血流路とし, 右心耳基部に扇型切開を加え上縁を作成したASD下縁に縫合することによって肺静脈血を左房に還流させた. 更に, 右心耳をSVC切開上端から新しい肺静脈血流路を覆うように縫着しSVC血流路を再建した. 術後は, 洞調律で, SVC・肺静脈血流路ともに狭窄はなく, PSも圧較差8mmHgに減少していた. 本術式は, 異物を使用せず, 十分な口径のSVC・肺静脈還流路が作成でき, 心房切開が最小限で洞結節及び洞結節動脈を温存し得る有用な方法である. 肺動脈弁狭窄(PS)を合併した, 心房中隔欠損(ASD)を伴わない上大静脈(SVC)への部分肺静脈還流異常症(PAPVR)の1症例に, PSに対して弁切開を, PAPVRに対してはASDを作成し, 洞結節及び洞結節動脈を温存しつつ自己組織のみを用いた修復術を施行し, 良好な結果を得たので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 部分肺静脈還流異常症, intactatrial septum, 心内修復術, 肺動脈弁狭窄
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