Title : |
先天性三尖弁狭窄症に対するFontan手術変法の1例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
北川悟1), 佐藤重夫2), 高野弘志2), 越智昭博2), 井原勝彦2) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)大阪大学医学部第1外科, 2)国立呉病院心臓血管外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
38 |
Number : |
9 |
Page : |
1511-1516 |
Year/Month : |
1990 / 9 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
症例は13歳の男児. 生下時よりチアノーゼを指摘され, 5歳時Blalock手術を受けた. 根治術前のNYHA心機能分類はII度であった. 心血管造影検査では三尖弁輪の狭小化及び右室容積56ml(正常比35%)と中等度の右室低形成を認めたが, 肺動脈弁は正常で肺動脈狭窄を伴わない先天性三尖弁狭窄症と診断した. また左心機能は良好で肺血管抵抗も低くFontan手術可能と考えられた. 手術所見では三尖弁は形態的には比較的正常に近く, 弁輪低形成による狭窄を示しており三尖弁自身に対する手術操作は困難と考えられた. このため根治手術としてFontan手術変法(RA-RV connection)を行った. 術後チアノーゼは消失し, NYHA I度となった. 術後8ヵ月目及び28ヵ月目に行った心臓カテーテル検査では右房右室吻合に伴って右室容積は増加し, 肺血流は正常に近いパターンを示していた. 先天性三尖弁狭窄症(以下CTSと略す)は, まれなチアノーゼ性心疾患として知られている. 多くは肺動脈狭窄及び閉鎖を主とした他の心奇形に合併し, 正常肺動脈弁に伴う先天性三尖弁狭窄症の頻度は更に少ないとされている. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
先天性三尖弁狭窄症, Fontan手術変法, 中等度低形成右室 |