アブストラクト(38巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 極めてまれな走行を示したSuperdominant LADに対するCABGの1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 山口保1), 菊地誠哉2), 道井洋史2), 渡辺敦2), 夷岡廸彦2)
Authors(kana) :
Organization : 1)札幌医科大学第2外科, 2)道立北見病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 10
Page : 2117-2121
Year/Month : 1990 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 前壁及び下壁梗塞を同時発症した59歳男性の冠動脈造影において, 左冠動脈前下行枝(LAD)は心尖部を巻いて後室間溝を上行し冠動脈十字に達し, 更に後房室間溝を左方に分布する極めて発達したsuperdominant LADの形態を示し, 発達不良な右冠動脈, 又は左冠動脈回旋枝からは後下行枝の分岐を認めなかった症例を経験した. LADは第一中隔枝直後で95%の狭窄を認め, 同病変による前壁及び下壁梗塞と判断された. 本病変の重症性を考え, 発症1ヵ月後に左内胸動脈によるLADへのCABG手術を施行し良好な結果を得た. LADが心尖部を巻き後室間溝を上行するものをsuperdominant LADと呼ぶが, 本症例のごとく冠動脈十字にまで達し, 更に後房室間溝を左方に分布するような著しく発達したLADの中枢側病変による, 前壁及び下壁梗塞例は, 極めてまれなものと思われたので報告する. 優位冠動脈の中枢側病変による心筋梗塞では, 広範囲の梗塞のため左心機能障害も高度となるが, この際の心電図所見では, 多部位同時梗塞を疑わせることもあり, 梗塞責任冠動脈の判断が難しい場合もある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Superdominant LAD, 前壁及び下壁同時梗塞, 内胸動脈, CABG手術
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