アブストラクト(38巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 術前から左室補助装置(LAVD)を使用した広範囲心筋梗塞の1例-その有効性と限界の検討-
Subtitle : 症例
Authors : 赤松大樹1), 榊原哲夫1), 三島正芳2), 児玉和久2), 松若良介3), 松田暉3)
Authors(kana) :
Organization : 1)大阪警察病院心臓センター外科, 2)大阪警察病院心臓センター内科, 3)大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 10
Page : 2122-2127
Year/Month : 1990 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 左冠動脈主幹部閉塞により発症した広範囲左室梗塞に原因する重症左心不全例に対し左室補助装置(LVAD)を装着した. 症例は, 61歳の男性. 胸内苦悶により発症, 発症後11時間で来院した時はショック状態であった. 緊急心臓カテーテル検査にて左冠動脈主幹部の完全閉塞を認め, それより末梢の冠動脈は全く造影されなかった. 大動脈バルーンパンピング(IABP)を施行したが, 循環動態を維持できず, 発症後5日目にLVADを装着した. 発症後19日目に梗塞部心筋切除術及び左冠動脈前下行枝(LAD)への大動脈-冠動脈バイパス術を施行した. 術後LVADよりの離脱を試みたが成功せず, 心室性不整脈の多発から右心不全に陥りLVAD装着後20日目に死亡した. 急性心筋梗塞後の心原性ショック症例に対しLVADの装着のみを行った報告例は少ないが, IABP等による保存的治療の限界を超えた広範囲梗塞症例に対し有力な治療法と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左室補助装置, 広範囲心筋梗塞
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