アブストラクト(38巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 両側冠動脈起始部近位完全閉塞に対する冠血行再建術の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 新浪博1), 江郷洋一1), 大越隆文1), 加藤辰也2), 小林秀樹2), 高橋早苗2)
Authors(kana) :
Organization : 1)佼成病院心臓血管外科, 2)佼成病院循環器内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 10
Page : 2137-2142
Year/Month : 1990 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 左冠動脈主幹部完全閉塞が冠動脈造影で発見される頻度は珍しく, これに右冠動脈完全閉塞を合併しているのは極めてまれである. 今回われわれは, 両側冠動脈起始部近位に完全閉塞を来していて右冠動脈円錐枝が左冠動脈の側副血行路となっていた64歳男性に対し, タリウム心筋運動負荷SPECTで虚血を認めたため, 冠血行再建術を行い, 左室駆出率が術前の23%から46%と著明に改善したので報告した. 左右冠動脈起始部近位完全閉塞例に対する積極的外科治療にとってタリウム心筋SPECTは有効な検査方法と考えられた. 左幹動脈主幹部完全閉塞は珍しく, Vacekら1)はその頻度は冠動脈造影検査施行例中0.04から0.42%であると報告している. これに右冠動脈起始部近位完全閉塞を合併することは大変まれである. 今回われわれは左冠動脈主幹部及び右冠動脈起始部完全閉塞症例に対し冠血行再建術(CABG)を行った1例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 両側冠動脈起始部近位完全閉塞, タリウム心筋SPECT
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