アブストラクト(38巻10号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 有茎性大網充填術による術後胸骨骨髄炎の治療 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 大村健二, 高橋英雄, 疋島寛, 三崎拓朗, 渡辺洋宇, 岩喬 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 金沢大学医学部第1外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 38 |
Number : | 10 |
Page : | 2166-2170 |
Year/Month : | 1990 / 10 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 2例の前縦隔膿瘍を伴う術後胸骨骨髄炎を経験し, 有茎性大網充填術の有用性を認めた. 症例1は15歳, 男性. WPW症候群の診断で, 胸骨正中切開にて副伝導路切断術を施行した. 術後5日目に胸骨骨髄炎と診断した. 起因菌は表皮ブドウ球菌であった. 閉鎖性持続洗浄療法を施行するも治癒せず, 開放ドレナージ後に有茎性大網充填術を行った. 術後は順調に経過し, CTでも挙上した大網や周囲組織に異常は認められず, 創は速やかに治癒した. 症例2は33歳, 男性. 大動脈弁閉鎖不全症の診断で, 胸骨正中切開にて大動脈再弁置換術を施行した. 術後11日目に胸骨骨髄炎と診断した. 起因菌は表皮ブドウ球菌であった. 閉鎖性持続洗浄療法を行うも治癒せず, 開放創とした後に有茎性大網充填術を施行した. 術後は順調に経過し, CTでも膿瘍の遺残・再発などを認めず, 創は速やかに治癒した. 有茎性大網充填術は, 術後胸骨骨髄炎の治療に有用であると思われた. 術後胸骨骨髄炎は難治性の合併症であり, その対処にはしばしば苦慮する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 術後胸骨骨髄炎, 胸骨正中切開, 前縦隔膿瘍, 大網充墳術 |