アブストラクト(38巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : IABPによる上腸間膜動脈血流への影響-IABPバルーンが腹部大動脈分枝開口部を塞ぐ位置に存在する場合の検討-
Subtitle : 原著
Authors : 島本博幸, 川副浩平, 鬼頭義次, 小原邦義, 小坂井嘉夫, 公文啓二, 平田隆彦, 鬼頭浩之, 藤田毅
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 11
Page : 2231-2236
Year/Month : 1990 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : IABPバルーンが上腸間膜動脈開口部に及んだ開心術後13例を対象として, 超音波パルス・ドプラー法を用いて上腸間膜動脈血流速度波形を記録し, 収縮期及び拡張期時間積分flow velocity integral(各々IntS, IntD)を計測した. IABP ON・OFF testにてIntSはON;9.20±3.19cm→OFF;7.07±2.56cmと有意に減少し(p<0.05), IntDもON;3.62±1.40cm→OFF;3.00±1.18cmと有意に減少した(p<0.05). これはONからOFFにて心拍出量が有意に減少した結果を反映したと考えられた. IABP 1:2 testにてバルーン作動心周期を1:2 ON, 非作動心周期を1:2 OFFとすると, IntSは1:2 ON;7.16±2.91cm, 1:2 OFF;8.41±3.30cmと1:2 OFF時が有意に大であった(p<0.05). 反対にIntDは1:2 ON;3.51±1.60cm, 1:2 OFF;2.33±1.25cmであり, バルーンinfllationにより上腸間膜動脈開口部が塞がれる1:2 ON時の方が有意に大であり(p<0.05), バルーンinflation時に大動脈内から上腸間膜動脈内へ血液が押し込まれ, 拡張期血流が保たれると考えられた. IntSとIntDの和は, 1:2 ON時と1:2 OFF時とで有意な変化はなく, バルーンが上腸間膜動脈開口部に及んでいても, 上腸間膜動脈血流は障害されないと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : IABP, 上腸間膜動脈血流, 腹部内臓虚血, パルス・ドプラー法
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