Title : |
まれな形態を呈した二尖弁大動脈弁閉鎖不全症の2例-大動脈二尖弁の検討を含めて- |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
有川和宏1), 帖佐信行1), 金城玉洋1), 増田宏1), 石部良平2), 田畑伝次郎2), 西村基2), 森下靖雄3), 平明3) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)国立南九州中央病院心臓血管外科, 2)国立南九州中央病院外科, 3)鹿児島大学医学部第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
38 |
Number : |
12 |
Page : |
2401-2403 |
Year/Month : |
1990 / 12 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
二尖弁大動脈弁では石灰化, 心内膜炎による弁膜症が多いとされる. それ以外の肉眼的に弁葉に変化を認めない純型大動脈弁閉鎖不全症を二尖弁大動脈弁手術症例30例中7例経験した. うちrapheを伴った大きな弁葉中央から延びた索条物が大動脈壁へ付着し, 弁葉を吊り上げるような形態をした極めてまれな2症例を報告すると共に大動脈二尖弁症例の検討を追加した. 7例の純型大動脈弁閉鎖不全例の弁は組織学的にすべて粘液変性を示し石灰化が見られないことが共通していた. また手術時, 平均年齢が39歳と若いのに対し石灰化によるもののそれでは56歳と有意に高く, 弁膜症発生の機序が異なることが窺えた. 感染性心内膜炎によるものは年齢に幅があり一定の傾向を見出しえなかった. 従って二尖弁大動脈弁弁膜症の発生機序には従来いわれている石灰化, 心内膜炎によるものの他に, 比較的若年期に弁葉の粘液変性によって高度の純型閉鎖不全を発症するものがあることを念頭に置くべきである. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
大動脈二尖弁, 石灰化, 感染性心内膜炎, 粘液変性, 純型大動脈弁閉鎖不全 |