アブストラクト(38巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Shuford 3型右側大動脈弓に発症した解離性大動脈瘤破裂の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 杉田隆彰1), 安田隆三郎2), 麻柄達夫2), 西川忠男2)
Authors(kana) :
Organization : 1)兵庫県立尼崎病院心臓センター外科, 2)滋賀県立成人病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 12
Page : 2474-2478
Year/Month : 1990 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右側大動脈弓の解離性大動脈瘤は極めてまれな疾患である. 今回, 著者らはShuford 3型右側大動脈弓に発症した解離性大動脈瘤破裂の1手術治験例を経験したので報告する. 症例は64歳, 男性. 主訴は胸部痛で, 入院後の胸部CT, 大動脈造影にて, Shuford 3型右側大動脈弓に発症した異常左鎖骨下動脈分枝部中枢側にentryを持つ解離性大動脈瘤破裂と診断され, 緊急手術が施行された. 手術は右上腕動脈-左大腿動脈間に1時的体外バイパスを設置後, 左開胸にてentry閉鎖とテフロンフェルトによる吻合部のサンドイッチ補強を行った. 右側大動脈弓の発生頻度は剖検例で0.1~0.04%1), 2)と低く, まれな先天性大動脈奇形の1つであるが, 出生時に血管輪による気管や食道の狭窄原因3),4),5)として, 又は合併心疾患診断の際に指摘される場合が多い. 本症に発症する解離性胸部大動脈瘤の報告6)~12)は少なく, しかも胸部大動脈の走行異常により手術が技術的に困難であるため, 手術成功例は欧米で1例6)を数えるのみである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右側大動脈弓, 解離性大動脈瘤破裂
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