Authors : |
木村秀樹, 山口豊, 藤沢武彦, 柴光年, 斉藤博明, 山川久美, 岩井直路, 渋谷潔, 藤野道夫, 関根康雄 |
Abstract : |
1952年より1988年12月までの原発性肺癌切除例のうち, 非治癒切除となった374例につき, 非治癒切除となった原因を各因子に分け(非治癒因子), その頻度, 組織型, 術後成績などとの関係につき検討した. 非治癒因子で最も多かったのは, リンパ節腫瘍遺残群(103例, 27.5%)で, 次いで胸壁, 横隔膜腫瘍遺残群(94例, 25.1%), p.m.群(54例, 14.4%)の順であった. これら3群で非治癒切除例全体の2/3を占め, 残りが癌性胸膜炎, 胸膜播種群, 気管支断端陽性群, R0不完全郭清群, 2b群リンパ節陽性群の順であった. 組織型別では, 腺癌ではp.m.群が最も多く(23.0%), 次いでリンパ節腫瘍遺残群(21.7%), 胸壁, 横隔膜腫瘍遺残群(19.2%)であり, 扁平上皮癌では, リンパ節腫瘍遺残群が最も多く(33.1%), 次いで胸壁, 横隔膜腫瘍遺残群(27.8%), 気管支断端陽性群(10.5%)の順であった. 術後成績では, 絶対的非治癒切除全体の5生率は, 12.1%と不良であり, 非治癒因子別の検討では, 癌性胸膜炎, 胸膜播種群で5生率22.9%, 次いでp.m.群の18.8%で比較的良好であったがその他ではいずれの群も10%前後の5生率であった. 相対的非治癒切除例では, R0不完全郭清群で19.7%, 2b群リンパ節陽性群18.7%の5生率であった. |