Authors : |
木村秀樹, 山口豊, 馬場雅行, 門山周文, 川野裕, 卜部憲和, 斉藤幸雄, 武田恒弘, 安川朋久, 鈴木実 |
Abstract : |
原発性肺癌非治癒切除374例の成績を, 最近10年間(1979年1月から1988年12月まで)とそれ以前の症例に分け, その頻度, 術後成績について検討した. 非治癒切除率では, 前期のそれが39.8%(225例)であるのに比べ, 後期では28.0%(149例)と改善が認められた. 非治癒因子別には, 前期ではリンパ節腫瘍遺残群が最も多く34.0%, 次いで胸壁, 横隔膜腫瘍遺残群の31.6%でこれら2群で全体の2/3を占めていたのに対し, 後期ではp.m.群が最も多く21.4%, 次いでリンパ節腫瘍遺残群18.8%, 胸壁, 横隔膜腫瘍遺残群16.3%の順であった. 術後成績では後期の5生率は28.6%で, 前期のそれが5.6%であったのに比べ有意の差(p<0.01, Generalized Wilcoxon test)で改善していた. 非治癒因子別の検討では, 癌性胸膜炎, 胸膜播種群(0%→53.3%), p.m.群(0%→38.6%), 胸壁, 横隔膜腫瘍遺残群(6.25%→22.1%)で前期の成績に比べ有意に後期の生存率の改善が認められた. |