Title : |
刺激伝導系の新しい損傷防止法(ブリッジ法)の実験的研究 |
Subtitle : |
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Authors : |
小松恒弘, 田所正路*, 近内利明, 新井悟, 関野美仁, 柳沼厳弥, 堀内藤吾 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東北大学医学部胸部外科, *宮城県立瀬峰病院心臓血管外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
39 |
Number : |
3 |
Page : |
301-310 |
Year/Month : |
1991 / 3 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
堀内は, 縫合線が伝導系と交差する単心室症中隔形成術のような場合, あらかじめ伝導系をまたぐように小フェルト片を縫着し, そのフェルトに縫合線をとる新しい刺激伝導系損傷防止法(ブリッジ法)を考案した. 今回われわれは伝導系直上に縫着されたフェルトにより伝導系が慢性期にどのような影響を受けるか実験的に検討した. 雑種幼若犬15頭に対し単純低体温下に右房心内膜面から房室結節を覆うようにテフロンフェルトを縫着し, 術後1週から12ヵ月に肢誘導心電図, His束心電図, 及び心房頻回刺激に対する房室伝導の応答性を記録した. 屠殺後, 房室伝導系の連続切片標本を作製した. 結果, 慢性期にフェルトは瘢痕組織に埋没しフェルト心内膜間に間隙は見られなかった. 縫合糸周囲に軽度伝導系細胞の減少ないし線維化を認めたが, フェルト下の伝導系に明らかな病理的損傷像は見られなかった. 屠殺時全例洞調律で, 術前とPQ時間に差はなく, AH時間, HV時間, 心房刺激に対する応答性のいずれも非実験対照と有意差はなかった. 以上よりフェルトによる伝導系損傷は慢性期にかけて軽度であると判断され, 伝導系損傷防止法としてのブリッジ法の有用性が示唆された. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
単心室症, 中隔形成術, 刺激伝導系, ブリッジ法 |