アブストラクト(39巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 連合弁膜症に対する3弁置換術後蛋白漏出性胃腸症の改善をみた1例
Subtitle : 症例
Authors : 平松祐司*, 榊原謙, 平林国彦, 三井利夫, 堀原一
Authors(kana) :
Organization : 筑波大学臨床医学系外科, *聖隷浜松病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 3
Page : 326-329
Year/Month : 1991 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は43歳, 女性. リウマチ性の連合弁膜症に蛋白漏出性胃腸症を合併していた. これに対して3弁置換術を行ったところ, うっ血症状の改善と共にα1-アンチトリプシンクリアランス(α1-ATクリアランス)を指標とする腸管への蛋白漏出度の改善が見られた. 収縮性心膜炎に合併した蛋白漏出性胃腸症の報告は多いが, 他の心疾患における蛋白漏出性胃腸症合併例は比較的少ない. 本例における蛋白漏出性胃腸症の発生要因としては, 第一にうっ血による静脈圧の上昇が考えられるが, 日頃多く見られるうっ血性心不全に蛋白漏出性胃腸症の合併が少ないことを考えると機械的な静脈圧の上昇のみからでは蛋白漏出発生の説明は難しい. 本例を収縮性心膜炎と対比し心疾患における蛋白漏出性胃腸症の発生機転について検討を加える. 高度の心不全と蛋白漏出性胃腸症を伴った連合弁膜症に対し3弁置換術を行ったところ, α1-アンチトリプシンクリアランス(以下α1-ATクリアランス)を指標とする腸管への蛋白漏出度の軽減をみた症例を経験した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 弁膜症, うっ血性心不全, 蛋白漏出性胃腸症, α1-ATクリアランス, 低蛋白血症
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