アブストラクト(39巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 軟骨肉腫成分を含む原発性心臓悪性間葉系腫瘍の1例
Subtitle : 症例
Authors : 村上新, 浜中英樹, 上山武史, 北川正信*, 麻野井英次**, 炭谷哲二***
Authors(kana) :
Organization : 富山医科薬科大学第1外科, *富山医科薬科大学病理, **富山医科薬科大学第2内科, ***高岡市民病院内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 3
Page : 361-365
Year/Month : 1991 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 急性心不全を主訴とし, エコー像により僧帽弁への浸潤を伴う左房悪性腫瘍と診断, 緊急手術を施行した症例を経験した. 腫瘍は左房側卵円窩より発生し僧帽弁後交連部より前尖・後尖の弁輪部へ向かって発育するカリフラワー状腫瘤であり, 弁へ浸潤していたため僧帽弁置換及び心房中隔再建を行った. 病理組織学的には腫瘍は軟骨肉腫成分を含む間葉系悪性腫瘍と診断された. 術後左房への選択的放射線治療を施行, 術後6ヵ月経過した現在, 再発・転移の徴候なく日常生活に復帰している. 心臓腫瘍はまれな疾患であるが最近の心臓超音波検査法の進歩に伴い, 早期診断の機会が増加しており1), 良性腫瘍は適切な外科的処置により予後は比軽的良好である2). 一方悪性腫瘍は発生頻度が極めてまれであり, その診断法や治療法に議論の余地が多く, 予後も極めて不良である. 最近著者らは特徴的なエコー像により, 僧帽弁への浸潤を伴う左房悪性腫瘍と診断し緊急手術を施行した1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 原発性心臓悪性腫瘍, 軟骨肉腫, 心臓超音波検査
このページの一番上へ