アブストラクト(40巻2号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 左房粘液腫のインターロイキン6産生に関する臨床的研究 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 高原秀典**, 森渥視, 田畑良宏, 渡田正二, 尾上雅彦, 岡部英俊* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 滋賀医科大学第2外科, *滋賀医科大学検査部, **赤穂市民病院 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 40 |
Number : | 2 |
Page : | 326-329 |
Year/Month : | 1992 / 2 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 左房粘液腫は心不全症状以外に, 血沈の亢進, 免疫グロブリン高値, 体重減少, CRP陽性などのconstitutional signの出現することが知られているが, その原因は不明な点が多い. 今回われわれは同様の症状を持つ左房粘液腫症例においてその症状発現機序を明らかにし得たので, 報告する. この症例は, 66歳男性で上記診断のもと, 準緊急的に開心摘出術を施行した. 腫瘍摘出によって前述した症状や検査値は消失, 改善された. 摘出標本の検索中, この腫瘍よりインターロイキン6(IL-6)産生が証明された. また, 術前高値であった血清IL-6は摘出後速やかに正常化した. このため, 術前の自己免疫疾患様の検査所見は, IL-6が免疫系に対して何らかの作用をしているものと考えられた. また, 左房粘液腫におけるIL-6の局在を免疫組織学的に証明したのは, 検索しえた範囲内では本報告例が最初である. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 左房粘液腫, constitutional sign, インターロイキン6 |