アブストラクト(40巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 外傷性慢性中部胸部下行大動脈瘤の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木保之, 井島宏**, 湯浅洋司, 榊原謙*, 堀原一*, 鬼塚正孝*
Authors(kana) :
Organization : 筑波大学付属病院外科, *筑波大学臨床医学系外科, **佐賀県立病院好生館外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 3
Page : 409-412
Year/Month : 1992 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は48歳, 女性. 交通事故により胸部外傷を受け, 左肺挫傷のため左上葉切除術を受けた. 約1年後, 胸部単純レントゲン写真で縦隔異常陰影を指摘され本院を紹介された. 胸部CT, 大動脈造影により, 大動脈狭部と中部胸部下行大動脈の2箇所に動脈瘤を認め手術を行った. 左残存肺と大動脈瘤との強固な癒着を認めたため, 残存肺全摘を行った後, 狭部の瘤は, ラッピング術を行い, 中部下行大動脈瘤は人工血管置換術を行った. 術後気管支断端瘻を生じたが大網充填術により治癒した. 外傷性動脈瘤の多くは大動脈狭部に生じるが, まれに中部胸部下行大動脈に動脈瘤を生じることもあり, また, 初期診断で見逃されることも多いため, 胸部レントゲン写真による経過観察が必要であり, 異常所見を認めた場合は, 胸部CT及び大動脈造影を行い確認することが必要であると思われた. 外傷性胸部大動脈瘤は一般的に左鎖骨下動脈起始部付近に生じることが多いが, まれに中部胸部下行大動脈に発症することが報告されている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 外傷性胸部大動脈瘤, 慢性外傷性動脈瘤
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