アブストラクト（42巻2号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 再発性弓部大動脈瘤と原発性肺癌の一期的手術の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 秦美暢, 吉津博, 高木啓吾, 尾形利郎, 田中勧, 松熊晋* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 防衛医科大学校第2外科, *防衛医科大学校検査部 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 42 |
| Number ： | 2 |
| Page ： | 273-280 |
| Year/Month ： | 1994 / 2 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 70歳, 男性. 9年前の胸部弓部大動脈瘤術後の再発性弓部大動脈瘤と肺癌の合併例で, 同一視野で処理が可能であることから一期的に手術を施行した. 左肺下葉切除・リンパ節郭清の後, 循環停止を併用し弓部大動脈瘤人工血管置換術を施行した. 肺癌は左S9原発の最大径4.8cm大の低分化扁平上皮癌で病理病期はp-T2N1M1（pml）でIV期であった. 術後88日目に軽快退院し, その後順調であったが, 術後10ヵ月目に脳転移が出現し, 術後11ヵ月目に他院で死亡した. 胸部大動脈瘤と悪性腫瘍の合併例に対する腫瘍切除と体外循環下人工血管置換の一期的手術は, われわれが調べ得た範囲内では本例が本邦第1例目と思われる. 今後も症例を選択すれば同様の術式が安全に施行し得ると思われる. 近年, 患者の高齢化や悪性腫瘍に対する適応の拡大に伴い, 動脈硬化性心血管病変と悪性腫瘍を合併する症例が増加し, 同時手術も含めて合併手術が積極的に検討され始めている. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 肺癌, 胸部大動脈瘤, 一期的手術, 体外循環, 循環停止 |
