Abstract : |
1970年1月より1991年4月までに当院で施行したsimple-Rastelli型手術は223例であった. これらのうち1991年4月までに当院で心外導管再置換術を施行した15例を対象とした. 再手術の主な原因は, 心外導管内の狭窄14例, 感染性心内膜炎1例であった. 狭窄は導管内の弁の変性及び線維性組織の増殖によるものであった. 初回Rastelli型手術時の心外導管の材質は, 大動脈ホモグラフト1例, ホルマリン処理ブタ肺動脈弁付きグラフト2例, グルタールアルデハイド処理ブタ肺動脈弁付きグラフト1例, Hancock弁付きグラフト9例, 弁付きウマ心膜ロール2例であった. 初回手術から再置換までの期間は, 2年1ヵ月~18年3ヵ月, 平均10.5±4.4年(平均値±標準偏差)であった. 再置換術前の右室と肺動脈間の圧較差は26~180mmHg, 平均74.7±42.0mmHgであったが, 再置換術後は平均12.3±7.1mmHgと有意に減少した(p<0.05). 右室圧/左室圧比は平均1.03±0.33から0.45±0.12に有意に低下した(p<0.05). 心外導管再置換術による手術死亡及び遠隔死亡はなく, 本術式は安全に施行できる有用な術式と考えられた. また弁付きウマ心膜ロールは現在の遠隔成績から優れた心外導管であると考えられた. |