アブストラクト(42巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動脈弁欠損を伴ったファロー四徴症術後に発生した壊死性気管気管支炎
Subtitle : 症例
Authors : 川田博昭, 島崎靖久, 門場啓司, 中埜粛, 松田暉
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 6
Page : 924-930
Year/Month : 1994 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺動脈弁欠損を伴ったファロー四徴症術後に壊死性気管気管支炎を合併し失った症例を経験した. 症例は生後3ヵ月の女児で, 術前左主気管支の狭窄と左肺の過膨脹を認めたが, 心不全, 呼吸不全症状はなかった. 弁付き導管による右室流出路再建と肺動脈縫縮術により気道の圧迫を解除したが, 術後進行性に換気不全を来した. 左主気管支粘膜は炎症性変化を呈し, 発赤から痂皮形成, 白色糜燗と増悪進行し, 狭窄病変と共に多量の分泌物により閉塞をきたした. ステロイド投与により一時的に軽快したが, 再び増悪し左気管支形成術を必要とした. 一時的に症状の改善をみたものの末梢側及び他部位の気管支狭窄, 閉塞が生じ, 術後154日目に失った. 剖検では気管支粘膜が壊死脱落し, 気管支の器質的狭窄を認めた. 肺動脈弁欠損を伴ったファロー四徴症に壊死性気管気管支炎が合併した報告はないが, 術後換気不全の遷延する症例では本症の合併を考慮する必要があると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈弁欠損, ファロー四徴症, 壊死性気管気管支炎, 気管支狭窄
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