アブストラクト(42巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Stanford A型解離性大動脈瘤手術におけるGRF(Gelatin-Resorcin-Formalin)glue使用の有効性の検討
Subtitle :
Authors : 中山芳夫, 北村惣一郎, 河内寛治, 井上毅, 谷口繁樹, 福富正明, 小林修一, 川田哲嗣, 吉田佳嗣
Authors(kana) :
Organization : 奈良県立医科大学第3外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 7
Page : 1021-1026
Year/Month : 1994 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1992年5月から1993年8月までに, Stanford A型解離性大動脈瘤12症例に対しGRF glueを使用し手術を施行した. 男性5例, 女性7例で, 年齢は60.6±8.0歳(51~69歳)であった. 病期は急性期4例, 慢性期8例であった. 病型は全例Stanford A型で, DeBakey分類ではI型5例, II型4例, III型(逆行性解離)3例であった. 手術は11例に人工血管置換術(上行置換術6例, 上行-弓部置換術4例, 上行-弓部-下行置換術1例, また全例Gelseal prosthesisを使用)を施行し, 1例にprimary repairを施行した. 手術死亡, 病院死亡はともに無く, follow-up期間は平均8.4ヵ月(2~17ヵ月)であるが遠隔死亡も認めていない. 術後平均1.5ヵ月の大動脈造影では人工血管置換部位の血流は良好で問題はなかった. また術前に大動脈弁閉鎖不全を認めた5症例では大動脈基部解離の接着のみで全例その消失をみた. 術中出血量はGRF glue使用群が1,169±694ml, GRF glue非使用群(17例, 年齢60.6±9.1歳, 全例Stanford A型)が2,893±2,214mlであった(p<0.05). フェルトの中枢側吻合部での使用数はGRF glue使用群が0.5±0.5本, GRFglue非使用群が2.1±0.4本であった(p<0.01). GRF接着剤の使用はStanford A型解離の特にその大動脈基部での接着, 弁固定に極めて有効で, フェルト使用量の減少, 出血量の減少, 手術成績の向上に有用であった. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1021-1026)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : GRF glue, 解離性大動脈瘤, Stanford A型, 人工血管置換術
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