アブストラクト(42巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 家系内に肺癌の多発をみた両側肺腺癌の1切除例
Subtitle : 症例
Authors : 辻博治, 原信介, 田川泰, 川原克信, 綾部公懿, 富田正雄
Authors(kana) :
Organization : 長崎大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 7
Page : 1061-1064
Year/Month : 1994 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 濃厚な肺癌の家族集積性をみた両側肺腺癌の症例を経験した. 症例は56歳, 女性. 平成4年6月, 住民検診にて胸部異常陰影を指摘され, 喀痰細胞診にてclass V, 腺癌の診断を得た. 胸部レントゲン, 胸部CTにて, 両側下葉に腫瘤陰影をみとめ, 右下葉切除, 左S9部分切除を行い, いずれも高分化腺癌(細気管支肺胞上皮型)の診断を得た. 家族歴上, 7人兄弟のうち本人を含めて4名が肺癌であり, 1人は腎癌との重複癌であった. また, 父親, 母方の叔父2名, いとこ1名, 甥1名に肺癌の発生をみていた. 肺癌症例の兄弟2名, 甥1名は当教室にて外科治療が行われており, 何れの症例も腺癌であった. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1061-1064)癌がある家系に濃厚に出現する事実は古くから報告され, このことから癌の遺伝性ないし家族集積性についての多数の報告がなされている. 今回, 濃厚な肺癌の家族集積性をみた両側肺腺癌症例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 家族性集積, 肺癌, 細気管支肺胞型, 遺伝的素因
このページの一番上へ