アブストラクト(42巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 原発性右房血管肉腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 川人宏次**, 井野隆史*, 安達秀雄*, 井手博文***, 水原章浩*, 山口敦司*
Authors(kana) :
Organization : *自治医科大学附属大宮医療センター心臓血管外科, **自治医科大学胸部外科, ***杏林大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 7
Page : 1069-1072
Year/Month : 1994 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は57歳, 男性. 心タンポナーデで発症した. 心嚢穿刺で血性心嚢液を排液したが, その後も心嚢液が減少せず, 心タンポナーデが改善しないため緊急手術を施行した. 手術所見では右房前壁の5.0×3.5×2.0cm大の限局した腫瘍が破裂しており, これが出血源となっていた. 右房壁を含めて腫瘍を切除し, 自己心膜パッチで修復した. 術後の病理組織検索にて血管肉腫であることが判明したため, 術後2週目より右房前壁中心に合計45Gyの放射線療法を行い, 軽快退院した. しかし, 2ヵ月後, 左室後壁に再発し, 以後急速な腫瘍の増大のため, 術後5ヵ月目に心不全にて死亡した. 剖検では, 局所再発部位は左室後側壁で肝, 肋骨に転移が認められたが, 右房壁に腫瘍の残存, 再発はなかった. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1069-1072)成人の原発性心臓腫瘍の約25%は悪性で, これら悪性腫瘍の3分の1は血管肉腫である1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 血管肉腫, 心臓腫瘍, 心タンポナーデ
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