アブストラクト(42巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 粘液水腫に合併したA型急性大動脈解離の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 重田治*, 幕内晴朗***, 金子幸裕*, 卓馬紳*, 小西敏雄*, 大村昌夫**
Authors(kana) :
Organization : *横浜労災病院心臓血管外科, **横浜労災病院内科, ***虎ノ門病院循環器センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 7
Page : 1096-1100
Year/Month : 1994 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は53歳, 女性. 約10年来無治療の甲状腺機能低下症により粘液水腫を呈していたが, 突然胸痛が出現しショック状態に陥り来院した. 大動脈弁閉鎖不全と上行大動脈内の解離した内膜によりA型急性大動脈解離と診断し, Composite graftによる上行大動脈置換と冠状動脈バイパス術を緊急に行った. 術後覚醒遅延, 麻痺性イレウスによる消化管穿孔, 高ビリルビン血症, ARDS(成人呼吸窮迫症候群), 脳内出血などの多彩な合併症を起こし, 半年後に感染性心内膜炎で死亡した. 経過中本症では甲状腺ホルモンと副腎皮質ステロイドホルモンの静注投与が有効であり, 術後早期からこれらのホルモンをコントロールすることが合併症の軽減に重要であると考えられた. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1096-1100)10年来無治療の慢性甲状腺炎から粘液水腫となった症例に対し, 急性大動脈解離を合併したため緊急手術を行った.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 粘液水腫, 甲状腺機能低下症, 急性大動脈解離, 上行大動脈置換, レボチロキシンナトリウム
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