Title : |
術後早期の狭窄所見が寛解した遊離内胸動脈グラフトの1例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
山口明満, 北村信夫, 入江寛, 康徳光, 木村俊一, 春藤啓介 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
国立大阪病院心臓血管外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
42 |
Number : |
12 |
Page : |
2272-2277 |
Year/Month : |
1994 / 12 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
術後早期の造影で狭窄所見を認めた遊離右内胸動脈グラフトが, 術後6ヵ月目の造影で狭窄所見の完全寛解を認めた症例を経験したので報告する. 症例は61歳, 男性. 不安定狭心症にて平成4年5月左内胸動脈-左前下行枝, 遊離右内胸動脈-第1対角枝の2枝バイパスを施行した. 術後1ヵ月の造影にて両内胸動脈は開存していたものの, 右遊離内胸動脈グラフト末梢側1/3の全体にわたる著しい内壁の不整と狭窄を認めた. 術中右内胸動脈採取時の電気メスによる損傷と思われたが, 術後狭心症を認めず外来にて経過観察を行っていた. 平成4年9月頃より胸痛出現し, 平成4年11月に再造影を施行した. 狭心症の原因は自己冠状動脈狭窄の進行によるものであった. 左内胸動脈は良好に開門し, また前回造影時認められた右遊離内胸動脈グラフトの狭窄は完全に寛解し, 狭窄所見並びに内壁の不整は消失していた. 本例は遊離内胸動脈がliving graftとして機能しうることを証明する貴重な臨床症例と考え報告した. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
冠状動脈バイパス術, 遊離内胸動脈, living graft, 動脈グラフト |