アブストラクト(45巻4号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 虚血性僧帽弁閉鎖不全のメカニズムと治療方針 |
---|---|
Subtitle : | |
Authors : | 馬場寛, 大川育秀, 小池茂文, 橋本昌紀, 松本興治 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 国立療養所豊橋東病院心臓血管外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 45 |
Number : | 4 |
Page : | 543-549 |
Year/Month : | 1997 / 4 |
Article : | 原著 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 虚血性僧帽弁閉鎖不全(IMR)はmitral complexの破綻が原因といわれている. IMRに対し,Sellers分類2度以下の症例に対して当院では冠状動脈バイパス術(CABG)のみを施行してきた. しかし,術後に僧帽弁閉鎖不全(MR)が増悪する例もあり, Sellers分類のみで手術適応を決定するのは問題である. そこで,IMRのメカニズムと治療方針を検討するために,1986年11月から1995年3月までに施行した単独CABG 443例のうち, Sellers分類において術前・術後に2度以上変化した症例44例(9.9%)を悪化群29例(6.5%)と改善群15例(3.4%)に分類し,血行動態,左室局所壁運動,僧帽弁弁輪径について分析した. その結果,IMR発現には左室内量,乳頭筋領域における左室局所壁運動,僧帽弁弁輪径が関与していることが示唆された. また,Sellers分類3度以上の症例は僧帽弁手術が必要であり,2度以下の症例でも僧帽弁弁輪径の拡張や,乳頭筋領域の左室局所壁運動の低下している症例に対しては僧帽弁手術を考慮すべきであると思われた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 虚血性僧帽弁閉鎖不全, 冠状動脈バイパス術, mitral complex |