Title : |
超急性期にinfarction exclusion techniqueを用いて, 中隔穿孔閉鎖術を施行した高齢者(85歳)急性心筋梗塞後心室中隔穿孔の1治験例 |
Subtitle : |
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Authors : |
川瀬裕志, 大橋博和, 堤泰史, 村上晃, 古田豪記, 大中正光 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
福井循環器病院外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
45 |
Number : |
4 |
Page : |
582-588 |
Year/Month : |
1997 / 4 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
症例は85歳, 女性. 前壁中隔の急性心筋梗塞4日後に再梗塞となり同時に収縮期心雑音を聴取するようになった. 心臓超音波検査にて心室中隔穿孔と診断され, 同日, 当院に転送され緊急手術を施行した. 術前のQp/Qsは2.58, 肺動脈圧は34/25mmHgであった. 前下行枝の2cm左側を縦切開すると中隔の梗塞範囲は広く, 中隔心尖部よりの穿孔と診断された. 穿孔部は約2.5cmの裂隙状を呈し, 探索子は左室側から右室側へ容易には通過しなかった. David-Komeda法に準じて梗塞部心筋を切除せず, 左室心内膜側の健常な心基部から2重とした馬心膜パッチを縫着した. 左室はパッチを左室自由壁切開部間に挟んで閉鎖した. 術直後は遺残短絡を認めたが, 術後17日目には短絡は消失した. 合併症なく術後57日で軽快退院した. infarction exclusion techniqueは超急性期に施行でき, 高齢者にも十分回復の期待できる有用な術式であると思われた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
心室中隔穿孔, 急性心筋梗塞, David-Komeda法, infarction exclusion technique |