Abstract : |
Isolated working rat heart modelを用いhydroxyl radical scavengerとして強い作用を有しているVitamin EとVitamin Cのリン酸ジエステルカリウム塩(EPC-K1)の心筋保護効果を実験的に検討した. プロトコール1ではEPC-K1の心機能に及ぼす影響を検討するため非虚血心に対して各種濃度(0.25, 0.5, 1.0, 2.0, 3.0, 5,0μg/ml)のEPC-K1を投与した. 2.0μg/ml以下では心機能変化率に差はなかったが, 3.0μg/mlで大動脈流量は低下し, 5.0μg/mlでは心停止となった. また, 1.0μg/ml以上でCK漏出量は有意に増加していた. プロトコール2では37℃15分間の常温虚血とし, 虚血前にEPC-K1を投与した. EPC-K1濃度0.5, 1.0μg/mlで大動脈流量回復率(%AF)はそれぞれ81.2±3.1%, 75.2±4.1%でコントロール群(57.2±3.1%)と比し有意に改善していた. CK漏出量は有意ではなかったが0.5μg/ml投与時に19.6±11.6IU/15min/g dry wt. と低値であった. 2.0μg/mlでは再灌流時に心拍動が得られなかった. プロトコール3では虚血再灌流時に0.5μg/mlのEPC-K1を投与した. %AFは64.7±5.1%と改善し虚血前同濃度の投与(81.2±3.1%)には劣るが, 虚血再灌流時投与でも心筋保護効果は得られた. Hydroxyl radical scavengerであるEPC-K1の心筋保護効果は虚血前投与で最も強く認められた. |