アブストラクト(45巻5号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 著明な肺高血圧を呈した高齢者(66歳)不完全型心内膜床欠損症の1手術治験例 |
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Authors : | 阿部吉伸*, 堤泰史, 上田哲之, 上山圭史, 大橋博和, 大中正光 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 福井心臓血圧センター福井循環器病院外科, *富山医科薬科大学第1外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 45 |
Number : | 5 |
Page : | 769-773 |
Year/Month : | 1997 / 5 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は66歳, 男性. 45歳時から当科受診. 過去に4回の心臓カテーテル検査を施行し, 5回の入退院を繰り返していた. 患者希望により根治手術は施行し得なかったが, 身辺の日常動作にても呼吸困難を来し(NYHA III度), 肺動脈圧の亢進, 肺血管抵抗, 逆シャントの増大を呈すようになったため手術承諾した. 手術は僧帽弁前尖裂隙縫合術及び僧帽弁形成術, 心房中隔1次孔パッチ閉鎖術, 三尖弁形成術を施行した. 術後, 低酸素血症は消失し, 肺動脈圧が43/21mmHgに減少し, NYHA I度となった. 60歳以上の心内膜床欠損症(ECD)に対する手術報告は本邦では3例のみで, 本例のように術前肺高血圧及び低酸素血症を見るものは手術治療が見送られる傾向にある. しかし, 高齢者肺高血圧例といえども根治手術により劇的な症状の改善を見る場合もあり, ここでは老年者例に対する文献的考察を加えて報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 心内膜床欠損症, 高齢者, 肺高血圧, 外科治療 |