アブストラクト(45巻5号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 肥大した肝鎌状間膜脂肪織を内容としたMorgagni孔ヘルニアの1例 |
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Subtitle : | |
Authors : | 市橋匠, 山村浩然, 石田文生, 小林弘明* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 市立敦賀病院外科, *福井県済生会病院呼吸器外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 45 |
Number : | 5 |
Page : | 787-791 |
Year/Month : | 1997 / 5 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | われわれは最近肥大した肝鎌状間膜脂肪織を内容とする無症状のMorgagni孔ヘルニアの1例を経験したので報告する. 症例は出産歴2回の47歳, 女性. 検診にて指摘された右心横隔膜角の異常影は1年前から増大していた. CTでは右胸部で前胸壁, 心嚢, 胸骨に接して脂肪濃度の腫瘤があり腹腔内に連続していた. MRIではその胸腔内腫瘤状病変は横隔膜より下の組織に連続し, ヘルニア門の大きさも5X3cmと判った. 胃腸連続透視では異常はなかった. 経腹的に根治術を行った. 大網は正常の位置にあった. 胸腔側に脱出していた鎌状間膜脂肪織を腹腔側に戻し切除した. ヘルニア門は結節縫合で閉鎖した. 術後X線写真上の異常影は消失し, 経過も順調であった. 組織学的にもヘルニア内容は成熟脂肪織で, 大きさは5X10X3cmであった. 肥大した鎌状間膜脂肪織を内容とするMorgagni孔ヘルニアとしては本邦初の症例であった. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | Morgagni孔ヘルニア, 肝鎌状間膜 |