アブストラクト(45巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 粥状硬化大動脈のため短時間作用型β遮断薬を使用した大動脈非遮断冠状動脈バイパス術の1例
Subtitle :
Authors : 深田睦, 小西敏雄, 樋口和彦, 秋島信二
Authors(kana) :
Organization : 横浜労災病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 9
Page : 1591-1595
Year/Month : 1997 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 上行大動脈硬化病変を合併した71歳の女性例に, 大動脈遮断をせずCABG(no touch technique)を施行した. 常温体外循環下で短時間作用型, β遮断薬(Esmolol)を大量投与して心停止とし, 両側内胸動脈を左前下行枝と回旋枝へ吻合した. 吻合中には心筋は弛緩しており, 回旋枝への吻合時にも良好な静止野が得られた. 人工心肺離脱時の心機能は良好であり, 術後心筋保護上にも特に問題を認めなかった. 術後造影でグラフトは2本とも開存していた. Esmolol投与下心停止により良好な冠吻合が可能で, 常温下であるため循環時間は能率的であった. 体外循環を使用したno touch techniqueを施行する場合にEsmololは非常に有用であり, 従来の心筋保護液にはない使用法がある. 心筋保護液としての可能性も含め, その応用法は更に模索されるべきと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 短時間作用型β遮断薬, Esmolol, 上行大動脈粥状硬化, no touch technique, CABG
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