アブストラクト(2巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸廓成形術に於ける手術量と呼吸機能の研究(第2報)
Subtitle :
Authors : 高橋雅俊, 篠井
Authors(kana) :
Organization : 東京醫科大學外科教室
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 2
Number : 1
Page : 33-43
Year/Month : 1953 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第5章術後の肺機能の低下度と術前に既在せる肺, 肋膜病變との關係」胸成術後に肺の換氣機能の低下を來す事は既に第4章に詳述した通りである. 然し個々の例について檢討して見ると, 同一の手術量を與えたにも拘らず, 術後の變化が同一でない場合が尠くないのである. この事は術側の肺病變の質的及び量的關係や, 肋膜病變の如何と關係があることが豫想されるのであつて, 肺の病燮が増殖, 硬化性で, 然も病巣が大であれば, 術前既にそれだけ肺機能は低下しているわけであり, 又病巣は小さくとも肋膜肥厚或は胼胝形成があれば肺の呼吸運動は抑制せられ, 肺機能は低下しているのである. この樣に術側肺の病巣及び肋膜の變化が高度であれば, 術後の術側肺機能の低下が輕度であることは理の當然である. これに反して, 反對側に於いて肋膜癒着, 肥厚, 胼胝形成或は高度の氣胸或は既に胸成術が行われている場合には, 非手術側の肺機能の方が下廻ることゝなり, 反對に肺機能優位の患側の機能は手術によつて大幅に失われることゝなるので, 手術後の肺機能の低下は最も憂慮さる可きことである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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