Abstract : |
[諸言] 氣管支閉塞に關する研究の歴史はかなり古い. 即ちTraube1)1845, Mendelssohn2)1846, Lichtheim3)1879, Hess, Bruns4)1912, Nissen5)1923, Coryllos6), Birnbaum 1928, Van Allen 7)1930, 等が鼠, 家兎, 犬を用いて氣管支を閉塞し栓塞性肺虚脱の研究を行つて居り, Adams. Vorvold8)1932, Bezza9)1933, Wolfe, Wang. Van Allen10)1934, 武田11), 河端12)1935, 小田13)1936, 井爪14)1937, Weinberg15)1937, は諸種の方法に依り氣管支閉塞を行い, 虚脱肺と肺結核との關係或は化膿菌に對する抵抗等に就て研究し, 來須, 伊庭, 松繁16)は氣管支結紮が主として肺循環系に及ぼす影響に就て研究している. 以上の如く氣管支栓塞, 乃至は結紮に關する研究は, 或は虚脱肺の病理に關するもの, 或は虚脱肺が化膿菌並びに結核菌に對する抵抗性を主たる目的とするものであり, その氣管支も亦一側主氣管支の閉塞, 或1は結紮であつて, 著者の場合の如く, 右上葉に通ずる氣管支のみを結紮し, 而も術直後よりかなり長期に亙って各肺葉に就て, 詳細な檢討を加へ, その代償性肺氣腫の動向を明かにしたものには接しない. |