Abstract : |
[諸言] 1928年にSchonwardが氣管支鏡診斷を試みて以來, 肺結核患者に對する氣管支鏡的檢査が重要視され, 外科的療法の發達につれて, 氣管支樹の形態學的變化についても深く研究されるようになつた. わが國にても近々5年間に著しく進歩し, 肺結核の外科療法と氣管支結核との關係が問題にされるようになつてきた. 又, この方面の研究報告も枚擧にいとまがない程である. 余は, 慶大外科教室に於いて, 肺結核患者の手術適應者に對し, 昭和22年より氣管支鏡による内視鏡的檢査, 並びに氣管支造影寫眞の撮影により, 肺結核の外科療法と氣管支結核との關係につき調査し, 肺病變と氣管支とを一括した結核病變が, 外科療法, 主として胸成術と, 化學療法によつて, 治癒すべき限界を知らんとした. これによつて, 肺結核の外科療法に對して, 何らかの貢獻する所があれば, 最も欣快とするものである. [1. 内視鏡的檢査] 症例, 檢査總人員252名, 檢査囘數463囘にて, これらの患者が受けた手術は, 胸成術が主で206例, その他, 充填術なども少數あるが, 手術を施行せず化學療法のみで治癒したものも含んでいる. |