Authors : |
福慶逸郎, 彌政洋太郎, 阿久津哲造, 北秀之, 七野滋彦, 伊澤逹吉, 木俣和三郎, 榊原欣作, 木村桂一, 廣瀬善哉, 濱野晋一, 橋本義雄 |
Abstract : |
「まえがき」我々は1951年秋人工心肺の研究に着手し, 酸化裝置並にポンプを作製し實驗を行って來たが, 當初動物は實驗後14時間を最長とし, 多くは2~3時間以内に全例死亡した. そこで1953年春以來1カ年間は研究の主眼を死因の追求とその封策におき人工心實驗を行い, 體外循環中のanoxia, 術後の出血, 空氣栓塞等の問題を解決し, 遂に左心實驗, 右心實驗共に實驗動物の50%近くが長期に生存するに至つた. この研究の詳細は名古屋醫學第68卷臨時號に發表した. そこで各瓣膜の直視手術々式を檢討するため, 第一段階として肺動脈瓣手術々式の檢討を行つた. 肺動脈瓣には右心室を切開するか, 肺動脈幹を切開して到逹しなければならないが, 我々は前者即ち經心室法を採用した. 然し殊に瓣膜が病的である揚合には, 心室切開時に血液が肺動脈幹から肺動脈瓣を逆流して出血することが考えられ, 又空氣が切開創から肺動脈へ流入することも考えられるので, 之を防止するためには肺動脈幹の血流を遮斷しなければならない. |