Abstract : |
「第1章緒言」國立廣島療養所に於て, 昭和24年8月10日より昭和26年5月21日迄の間に, 肺結核患者の肺切除術を行つた54例につき, 病理解剖學的檢索を行つたが, その中33例は切除肺の氣管支斷端が, 氣管支鏡可視範圍内にあつたので, これら33例につき肺内病巣と氣管支斷端の病變との關係, 及び氣管支斷端の病理組織學的所見と術前氣管支鏡所見, 及び術後氣管支瘻形成との關蓮性を檢討し, 2-3の知見を得たので報告する. 「第2章研究方法第1項切除肺について」肺切除後直ちに10%ホルマリン溶液に固定し, その後主病巣檢索のため氣管支追跡を行つた. 主病巣部位並に氣管支斷端部の組織片のパラフイン包埋, パラフイン切片薄切法は型の如く行い, 染色法は各組織片について, ヘマトキシリン・エオヂン重染色法, エラスチカ・ワン・ギーソン染色法, マロリー氏アザン染色法, 格子線維の鍍銀法(ビルシヨウスキー, マレシ氏鍍銀法の岡氏變法)及び結核菌の隈部氏アニリン水・フクシン染色法により行った. 尚, 氣管支斷端は氣管支の第2次分岐より中心のものである. この部位は氣管支鏡特に氣管支側視鏡の可視範圍内にある. |