Abstract : |
「緒言」肺結核患者の豫後が排菌状態と密接な關係にあることは, すでに諸氏の1)-4)の認めるところである. 胸廓成形術施行患者についても同様なことがいわれているが5)-7), 多數の症例に, 術後, 相當長期間にわたつて調査したものは少ないようである. 胸廓成形術施行患者では, 胸部レ線寫眞所見や赤沈などから病牀を判斷したり, 豫後を推定したりすることが困難な場合が多い8). このような場合には, 排菌状態の檢査が重要な手がかりになることが少なくないので9)-10), 前報11)に引續き, 同一症例について, 手術前後の排菌状態と術後經過の關係を檢討した. 「調査症例および調査方法」調査の對象とした症例は, 第1報12)に詳述した. 334例である. このうち, 檢査の充分でない2, 3の症例は各項にわたつて除外してある. 喀痰中結核菌の檢査は, 定期的に月1囘, 特に作業患者では月2囘ずつ, 早朝喀痰をZiehl-Ga-bett氏法により染色鏡檢し, または, 2本の岡一片倉培地に同氏等の方法13)に從って培養して6週後に結果を到定した. 塗抹陰性の喀痰は直ちに培養檢査を行い, また培養で無數に集落の認められるものは塗抹鏡檢に移行している. |