Abstract : |
結核治療の進展につれて, 結核患者は從來と異り, 死の恐怖から救われるのみならず, 更に進んで, 社會入として再び職揚に復歸することが期待されている. 從つて, 外科的療法も, Rehabilitationをも考慮にいれて, 虚脱療法に代つて直逹療法が主要な位置を占めるに到つた. 胸成術及び肺切除が肺機能に及ぼす影響についてはかなり報告されている1)2)3)4). しかし, 機能面からみたRehabilitationの立揚で, 胸成術と肺切除を比較した報告はない. 著者はさきに, 結核の療法別にみた換氣機能の成績について報告したが5)6), こゝでは, 胸成術と肺切除とをRehabilitationの面から比較し, また, 手術を受ける年齢による影響, 肺切除の種類, 更にまた, 肺切除に補正成形を加えた揚合と加えない場合では, どのように異るかについて記載する. 「檢査對象及び檢査方法」檢査は昭和28年11月から30年3月にかけて, 20~52歳の胸成及び肺切除被術者それぞれ成年男子171名, 41名について行つたもので, 被術者は術後1~5年が大部分で, すでに職揚に復歸している者及びまだ療養中のものを含む. |