アブストラクト(3巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 結核肺切除後の氣管支瘻の成因に關する研究 第1報
Subtitle :
Authors : 守屋荒夫
Authors(kana) :
Organization : 國立神奈川療養所
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 3
Number : 4
Page : 333-340
Year/Month : 1955 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒言」強力な化學療法の施行, 手術手技・麻醉法等の進歩改善, 術前諸檢査の發達などに件い, 肺結核症の治療上, 肺切除術が著るしく廣汎な適應症に容易且つ完全に行われるようになつて, 手術死亡も稀となった今日にあつては, 術後合併症の有無が肺切除術の成績を左右する最大の因子となるといえよう. とくに氣管支瘻, J.D.Murphy1)らの述べる如く, 豫後極めて不良であるのみならず, 表1に示す諸家の成績を通覧しても約10%に發生しているから, 氣管支瘻の發生を防止することが肺切除の成績向上の鍵であるといつても過言ではあるまい. かゝる點に鑑み, 私は昭和27年末までの神奈川療養所における肺切除95例中, 氣管 支瘻を發生せる9例について考察し, 原因・症状と診斷・治療と豫後等に關し, 第4囘日本氣管食道科學會にて報告すると共に, 同會々報4巻3號上にも發表したのであるが, 恩師慶大外科前田和三郎教授の御指示によって慶大外科, 同ほ號病棟, 國立松戸療養所, 晴嵐荘, 浩風園, 國立大蔵病院及び神奈川療養所における肺切除364例中に發生した氣管支瘻30について, 主として成因に關する詳細な資料の提供をうけ, 之を檢討した結果(1)肺病變, 氣管支病變が活動性, 進行性なる揚合(2)化學療法の効果が不十分なる場合, (3)手術手技上に缺陥ある場合, (4)術後所々に不備がある場合, などに發生がみられることを知り, 之を28年11月の文部省結核外科療法科會において, 慶大結核外科綜合研究班の報告として發表した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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