Abstract : |
[第1章 緒言並に研究目的] 結核症に對する有効な藥劑は1944年S.A.WaksmanのStreptomycin(SM)を始めとし, 1946年Lehmanの, Paraaminosalciric acid(PAS), DomagkのThiosemicarbazone(TBI), 又1952年Ribitzek等のIsonicotinicacidhydrazide(INAH)が相次いで報告され, 共に實驗的, 臨床的に卓効を示す事が證明された. 以來年月を重ね内外多數の學者が之等藥劑の効果, 作用機轉について多數の研究を發表するに至つた. これと共に肺結核の外科的療法特に肺切除術が, 麻醉法の進歩により完全に施行し得る樣になり, この方面の研究も又飛躍的に發展するに至った. 之等の藥劑は何れも, 自覺症状(喀痰, 咳嗽, 盗汗, 食慾, 體重等)が改善され, 又他覺的に赤沈値の改善, 喀痰中結核菌の減少消失, レ線像では, 周局炎, 撒布巣等の減少, 消失, 又空洞の縮小, 消失, 瘢痕化等の著明な効果を示す. しかしその作用は結核菌に對する殺菌作用では無く, 發育阻止作用によるもので, 耐性菌(特に速効的なSM, INAHに著しい)が出現し易い缺點を有する. |