アブストラクト(5巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 中葉陰影, 特に中葉症候群に對する病理學的並びに臨床的考察
Subtitle :
Authors : 永井純義1), 伊藤彬男1), 牧野武盛1), 野澤有臣1), 中村智1), 片野素臣1), 上野茂之1), 横田典男1), 金林琢1), 河野通隆1), 井田一彦1), 本田輝男2), 川野垓也2), 遠山有能3), 菊地慶行3)
Authors(kana) :
Organization : 1)東京醫大篠井外科, 2)東京醫大小兒科, 3)國立宇都宮療養所
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 5
Number : 7
Page : 720-729
Year/Month : 1957 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : I) 諸言 中葉症候群の概念は, 1948年Grahamが, 中葉気管支の閉塞に依つて生ずる中葉の無気肺から化膿性肺炎へと伸展する一連の病変を中葉症候群と命名し紹介したのに始まる. この樣な中葉の病変の原因としてはBrockを初め從來の報告者は, 中葉支はその解剖学的特異性の為め, 中葉支幹周囲リンパ腺の非特異性炎症性腫脹に依り容易に圧迫閉塞される為であると述べて居る. 元來, 本症に最も特異な所見は, レ線的に, 中葉に一致した無気肺性陰影を生ずることで, 最近に於ける医学の進歩に伴い, この樣な症例が必ずしも稀でない事が知られて來た. 又原因に就いても, 非特異性炎症に依る淋巴腺腫脹以外の原因で, 本症が発生する場合もあることが解つてきた. そこで吾々は現在では, 本症を広義に解釋レ線的に中葉に一致したなかなか治癒しがたい瀰漫性陰影を示すものを総稱して呼んでいる. 吾々は篠井外科並に國立宇都宮療養所に於いて経験したこの樣な意味での中葉症候群19例について, その病理学的並びに臨床的所見を紹介してその発生機序について述べ, 更に小兒科に於いて経験した中葉の瀰漫陰影を示した症例5例についても言及したいと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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