Abstract : |
[第1章 緒言] 腰惟麻酔法(以下腰麻と略)の主眼は, 安全に麻痺効果を得る事にあるが, 腰全合併麻酔を行うに就ても同様であり, 腰麻による副作用を皆無とすべく, 種々努力を重ね, 現在概ねその目的を達するに到つて居る. 即ち第1編1)に於て, 現在市販されている高比重0.3%ペルカミンSを使用せる場合を中心として檢討を加へた結果腰麻先行時には, 腰麻藥量を一般使用量とし, 全麻先行時には3/5~4/5の量とすべきであるとしたのであるが, 未だ意に滿たぬものもあり, 更に腰麻藥自体について, 各種濃度糖加ペルカミンSを上腹部手術時 に用いて, 檢索を進めた所, 高比重2)(比重1.037, 15℃,)溶媒9.5%ブドー糖1%ペルカミンSが, 血壓下降少くて, 麻痺効果は確實であり, poor riskに對しても, 安全に施行し得る濃度であるので之を用いて, 食道癌根治術を行つた經驗を中心に報告する. [第2章 腰麻藥の選擇に就て] ペルカミンの効果を見る爲に, 9.5%ブドー糖を溶媒とし, 比重10.37(15℃)に一定とした各種の濃度糖加ペルカミンSを帝國化學産業K. Kに依頼して, 試作し, 上腹部手術時に於ける効果を比較的檢討した. |