Abstract : |
[緒言] 肺結核症に対する血清学的診断法は, 従来或程度の特異性は認められても, 臨床的に広く用いられたものは少かった. 1947年, Keogh, North, Warburton等は, インフルエンザ菌のフェノール抽出物である多糖類を赤血球に吸着させると, それに対応する抗血清によって凝集されると述べ, 1948年, Middle-brook-Dubos1)は, この原理を結核症の血清学的診断法に応用した. 爾来同反応の追試者は内外共に多く, 抗原自体の研究には, 守矢2), 若倉3), 根津4), 浅野5), 土屋6)等その他の発表がある. 又, 臨床的応用に関しては, 矢追7)は結核菌濾液で感作したニワトリ血球を, 熊谷8)は旧ツベルクリン液で感作した人O型血球を, 又, 小路9)は山羊血球を用いて報告した. その後, 神野・田崎10), 吉田(文)11), 吉田(久)12), 武田13), 北本14), 中島15), 川原16), 古賀17), 平出18), 伊藤19), 小西池20), 吉田(清)21), 佐々木22), 杉本23), 中江24), 野崎25), 吉田(長)26), 沼崎27), 中村28)等は, 何れも内科的治療を受けた肺結核患者を検査対象として, 主として肺結核症の活動性, BCG, ツベルクリン反応, 健康者の凝集価との比較, 他疾患等の関係について述べ, 本反応が結核に特異的であり, 臨床的応用に一応価値あるものと認めている. |