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[緒言] 著者は第1編に於て, 低酸素負荷試験によりauoxic anoxiaに於ける諸種の反応, 心肺動態の変化につき報告したが, これに対し相対的代謝性アノキシア(relative metabolic anoxia)である運動負荷試験についての研究を併せて行つた. 即ち心疾患々者が最大の主訴とするところは運動時の苦痛であり, この運動時(又は運動後)の心肺性諸量の変化を解明することは大きな意味をもつものと思われる. 運動により酸素の需要が増加すると, 生体の内部環境の恒常性を保持する為に呼吸循環系は, その潜在する機能を発揮しよく順応するものである. 然し心疾患々者の如く, 心及び肺に諸種の欠陷があつて, 負荷に対する十分な反応を示す事が出来ない時には, 肺に於けるガス交換に異常を生じ, 動脈血酸素飽和度の低下, 体組織の諸種の代謝に影響を及ぼし, その結果呼吸困難, チアノーゼを来し, 運動中止, 蹲踞の止むなきに至ることもある. Cournand, Richards91)(1941)は最も簡単なstandard exercise testを創案し, 肺疾患灯者についてこれを応用し, pulmonary insufficiencyの研究を行つた. |
