Authors : |
仲田祐, 梶塚曉, 古澤昭, 木戸就一郎, 川合功, 中山廣信, 岩淵正喜, 若狭一夫, 鈴樹正大, 根本巖, 成富鷹穂, 鈴木千賀志 |
Abstract : |
両肺に廣汎な病巣があり呼吸・循環豫備力が著るしく減少している肺結核患者は手術後呼吸・循環不全を惹起する危險があるので從来は, 外科療法の適應から除外されていたが既に輕症ないし中等症の患者は既に治療され盡され, 現在では呼吸循環豫備力が乏しいために積極的治療が躊躇される患者が多く殘されている實状にある. これらの重症肺結核患者に對して積極的に治療の手を差延べることがこれからの胸部外科醫の責務である. 重症結核患者に外科療法をおこなう場合には肺病巣の所見, 全身状態, 呼吸・循環機能状態等が問題にされるが, 今囘は心肺機能の面から重症肺結核患者の適應について論ずることにする. 我々が日常心肺機能檢査法としておこなつている各種換氣機能檢査法, 心カテーテル法による肺循環諸量の測定は, 治療方針, 特に手術の適應を決定する上に於て重要な臨床檢査法ではあるが, これらはすべて左右両肺の總合的肺機能を示現するものである. 手術中或は手術後においては呼吸機能は主として對側肺によつて代償されなければならないので,手術の適應決定に際しては,對側肺機能の負擔能力を檢査することが極めて重要であり,いわゆる「外科的肺機能檢査法」の必要が生じてくるわけである. |